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No.113(抄) |
新シリーズ忘れ残しのあれこれ ⑦
目 次
☆ 忘れ残しのあれこれ⑦ 談ネットワーク設立のころ 難波一夫
☆追悼 元相談員、高田智長さん、志賀兼允さんを悼む
☆新シリーズ算数の力で生命・へいわ・くらしを考える
なんで勉強するん?に応えて -その1- 志賀兼允
☆発達障害について(その4) 臨床心理士 福田求
☆楽しい「数楽」こぼれ話 数に親しみを抱くために 志賀兼允
☆ 四季の花言葉 シュウメイギク
相談ネットワーク設立のころ
元代表世話人 難波 一夫
電話相談もありがとう 卒業生のSくん
面接相談もずっと好調でした。
アパートの四階の事務所は、色々な方たちがいつも溢れていました。
エレベーターがないので、少し急な階段を手すりに寄りかかりながら上がってこられると、息が弾んでしばらくは休まれることになります。ふたへやある部屋は、いずれも和室で、電話のある部屋は電話相談室、もう一室が面接室でした。
一対一で対応するためには、この二部屋しかありません。予約制にしてなかったので、順番待ちでした。混んでいると判断されたら帰られる方が殆どでした。
でも、なかには「待ちます」と言われて、台所の椅子に座られて聞こえてくる会話に耳を傾けられているようでした。
「参考になりました。同じようなことなので・・・」と帰られる方もおられました。ときには似たケースであれば、了解をもらって一緒に話したりしました。とにかく一生懸命無我夢中でした。
その頃のある朝、フウフウいいながら四階まで上がっていったとき、入り口のドアが湿っぽいのです。。見上げると天井から雫がたれているのです。
「どうしたんだろう?なにかあったのかな?」
ドアを開けてびっくりしました。床も畳も水に浸かっていました。
「水道管が破裂したのかな」
水の音は聞こえてきません。ぐるりと周囲を見回したら、なんと天井から水滴が落ちているではありませんか。
机上はびしょびしょ、電話もファックスもずぶ濡れ、押し入れの中の本も書類も・・・。
靴を履いたまま、ズボンの裾をたくりあげながら、事実を冷静に見ようと思いました。
まもなく同僚も出揃い、惨状を見て目を見張りました。早速大家さんに報告しました。
濡れた畳を上げ、反故になった本や資料の片づけ、水浸しの電話機、ファックスの処置など・・・。
途方に暮れながら「やるしかない」のでした。
どこの誰に、片づけを頼もうか、それにしても費用がどのくらいかかるのか、そのためにもどうしてこんなことが起きたのか、原因は?を明らかにしなければと考えたのです。そして、至急に片づけに入ろうと。
丁度その頃、大家さんから連絡があり、自宅の水が漏れたことがはっきりしました。そして、話し合いの結果、こちらの知り合いを通じて「水浸し」を片付けることにしました。
さて、当方に頼める人がいるかどうか、相談しましたが、個人情報のことや費用のこともあり、決まりません。移転を考えてもそう簡単にはいきません。
いろいろ思案相談の末、そして、多くの団体個人の方々のお世話になって、まず現在の事務所が選ばれたのでした。
こうして引っ越しの予定は決まりましたが、問題は引っ越し予算です。みんな黙ってしまいました。その時、ふと、卒業生の顔が浮かんだのです。
「あの子に頼んでみようか」
独り言のように言ったら、みんなが「それがよい」と言います。「誰か分からんのによく言うわ」というと「とにかく頼む」です。
その卒業生は、土木会社を立ち上げて間がないことを知っていたので「まあ頼んでみるか」
事情はほとんど話しました。彼は、黙って聴いてくれたあと、「分かった。やってあげる」。
この嬉しかったこと、嬉しかったこと。思わず抱きつきました。彼がS君です。
詳しい話ができ、メモをとったあと、次の次の日曜日を作業の予定日に決めました。 なんば かずお
今回は、学校での生活が大きな比重を占めてくる児童期において、発達障害を持つ子どもに対してどのような支援を行ったらよいかという点についてまとめています。親などによる個々に即した不断の支援が必要です。
5(2)児童期の支援
子どもの特徴にあった学校を選ぶ -就学相談に参加しましょう- 普通学校 障害のない子どもと一緒に活動する ことによって、よい刺激を受けて成長できると いう利点はあるが、人間関係が築けなかったり 授業についていけなかったりすると、疎外感や 劣等感、あるいは不安に悩まされやすい。 通級教室(特別支援教室) 普通学校に通って いる比較的軽度の障害を持つ子どもが、週1~ 2回程度、自校や他校に設置された通級教室 で、自分の特徴に合った授業を受ける。 特別支援学級 普通学校の中に設けられている 障害のある子どものための少人数学級。先生の 目が行き届きその子の特徴に合った教育を受けることができる。 特別支援学校 従来の盲・ろう・養護学校を合 わせた学校。少人数クラスで、障害について専 門的知識を持った先生から、行き届いた教育を 受けることができる。 |
1)毎日のスケジュールを決める
① 1日の予定を、時間を区切って決めて、よく目につくところに貼って、いつも見えるようにしておきましょう。
② 学習する習慣を少しずつ身につけていくようにしましょう。
* 子どもの特徴に合わせて、学習時間帯や学習目標を設定することが大切です。
* 一般的・平均的な目標を設定すると達成しにくい場合は、親が少し支援してやると達成できるレベルの目標を立てることによって、できるだけ達成感を味わわせ、学習意欲を持たせ、決して諦めたり突き放したりしないようにしましょう。
* 目標が達成できない場合は、親や先生に教えてもらったり、目標レベルを下げてもらったりして、無理をしなくて良いということを伝えましょう。
③ 学校ストレスが溜まる場合は、帰宅後に十分休み(遊ぶ時間)を取ってから次の行動に移るように配慮しましょう。
④ 月毎の学校行事やプリントの提出日、塾などの予定、また子どもに関係する家族の予定なども、大きめのカレンダーや手帳に書き込んで、毎日の予定を親子でチェックするようにしましょう。
① 社会的ルールや授業内容など、どこまでわかっているかを見極めてから、具体的に教えるようにしましょう。
② 遊びや勉強など、何をしていいかわからないときは、選択肢を示してそこから選ばせるようにしましょう。
③ 先生の指示や学校の決まり、また宿題の仕方など、学校でのわからないことは先生に具体的に教えてもらうように伝え、その時の話し方なども練習させておきましょう。
④ 「~をしなさい。」と強く言われると反発したり委縮したりしやすいので、「できるだけ~しようね。」などと、すこし緩やかに伝えるようにしましょう。
3)コミュニケーションのとり方 :親がロールプレイ(役割演技)で教える
① 相手の言うことを最後までよく聞く練習をさせましょう。
② 基本的な言葉遣いを練習させましょう。
しなやかな心(レジリエンス)を育てよう! ① 自己肯定感: 自分は周囲から大切にされている存在であるとする思い(自尊感情)。周囲から可愛がられたり褒められたりすることで養われる。 ② 自己効力感: 自分が何かに取り組むときに、それを上手くやることができるという気持ち(自信)。成功体験を積み重ねていくことで養われる。 ③ レジリエンス: 失敗して落ち込んだ時でも立ち直っていくしなやかな心の強さをいう。自分を信じると同時に、他の人も信じ頼ることで養われる。 ※ 自己肯定感→ 感情調整→ 自己効力感 → 楽観・挑戦→ レジリエンス➯ 社会性 |
*「ありがとう」「ごめんなさい」「いや」「やめて」「教えて」「手伝って」などが、自然に言えるようにしましょう。
③ 伝えたいことは、具体的に一つずつ簡潔に、普通の速さで、相手の顔を見ながら言うようにしましょう。
* 皮肉や譬え、婉曲な言い方、あるいは丁寧に長く話すなどは逆効果になりやすいので気を付けましょう。
④ 否定的な言葉ではなく肯定的な言葉を遣うようにして、お互いの信頼感を育てるようにしましょう。駄目出しはせず、「こうすればいいよ。」と言うようにしましょう。
4)書いて教える・・・ 聞いて理解するより目で見て理解するほうが得意(視覚優位)なので、メモ書きや図、PCやタブレットなどを利用して、勉強を教えたり情報を伝えたりしましょう。
5)気になる行動を整理し対策を立てる
① 子どもの遊びの様子や生活の様子をよく見てその特徴を把握し、問題と思われる行動(特徴)を箇条書きにして、客観的に考えてみましょう。
② 子どもとよく話し合って、今すぐ取り組むべき課題から、できれば取り組みたい課題までの優先順位を付けて、それらの対策を考えましょう。
6)やる気を出させる工夫をする
① 褒めて育てる… 注意したり叱ったりするよりも、良いところを具体的にしかも心を込めて、即座に褒める方が効果的だとされています。また、ポイント制を取り入れるなどのボーナスを与える工夫もしてみましょう。
② 目標を決める場合、子どもの意見をよく聞きながら、少し低めに設定するようにし、
成功体験を得やすいように配慮しましょう
ADHDを持つ子どもの支援
① 初めは親も片付け方を教えながら、一緒に片付けるようにしましょう。 ② 整理する場所を、ラベルや張り紙に絵や文字で書いて貼っておき(構造化し)それを見ながら片付ける練習をしましょう。 ③ 散らかり過ぎになる前に、早めに片付けるようにしましょう。 ④ 片付けたら気持ちがいいということを笑顔で教え、頑張ったことを褒めましょう。 |
a)忘れ物をしないように工夫する
* 学校の教材や配付物、あるいはランドセルや制服など、必要なものは学習机などの周りにすべて整理できるように整理センター(文房具や籠、トレー、引き出し、箱などにラベルを張って構造化しておく)を設けましょう。
* ワーキングメモリーが不足しやすく、また覚える努力を怠りやすいので、準備物のリストやメモ・ラベル・張り紙・カレンダーなどのリマインダーを利用して、思い出させる工夫をしましょう
* 帰宅したら直ちに、課題プリントや提出書類などはすべて整理センターで開封し、教科別・提出日別に仕分けしましょう。
* 課題を完成させるのに必要な時間を設定し、いつ行うかの計画をすべてカレンダー(手帳)に記入しましょう。
* 必要な情報(連絡帳、課題の提出日、漢字、計算の仕方、下着などの整理場所など)を自分で引き出す脳の回路を鍛えて、思い出す練習をさせましょう。
〈例〉×「下着を散らかさないで!」→ ○「下着はどこに仕舞っているかな?」
b)待つことの大切さを教える
* 待つことの大切さを、具体例に即して説明し、待たなければいけないことがあることを分ってもらいましょう。
* 最初は短い時間で待つ練習をさせ、出来だしたら少しずつ待つ時間を長くするようにしていきましょう。
* 普段から「早くしなさい。」などと急かさないように気をつけましょう。
c)注意することを選ぶ
* 気になることを逐一注意せず、本当に困ることだけを注意するようにしましょう。
〈例〉スマホでオンラインゲームをする,暴力を振るう
* 望ましい趣味や遊びなどを勧めて、注意しなくてすむ方法を考えましょう。
* 適応しにくい状況下でも、自分の意思で適切な行動がとれるように、短くてわかりやすい行動のストーリー(脚本)を作って、社会的スキルを学ぶ方法。〈例〉友だちと会ったら笑顔で「おはよう」と挨拶をします。私は、今、とても寂しい気持ちになっています。 * いろいろなケースがあることや相手によって 反応が違うことなどを教え、何事も断定しない ように注意しながらストーリーを作りましょう。 |
d)集中力を持続できるようにする
* 周囲に気が散るものを置かないことや、課題の質や量を先生と相談しながら子どもに適したものに替えてやりましょう。
* 課題を小さな段階(スモールステップ)に分割して、易しいレベルの課題から順番に難しいレベルの課題へと取り組みを進めましょう。
* 集中力が続く時間を予め調べておいて、その時間が来たらタイマーを鳴らし、休憩を入れたり他の課題をしたりして、スケジュール通りに行動できるように工夫しましょう。
a)人とのかかわり方を教える
* 人との関係を求めない子ども
には、独りで過ごす時間を確保
したうえで、趣味が合うなど、関係をつけやすい人との関わりを促していきましょう。
* 人との関わりを求める子ども には、気の合いそうな友だちと一対一で関わるように
配慮し、強引に要求を押し付けてくる友だちには親が間に入って調整しましょう。
* 友人とトラブルを起こしやすい子どもには、具体的なトラブルに即して人と関わると
きのルールや気持ちを、短く分かりやすい言葉で表現することを教えていきましょう。
* 「気持ちカード」や「ソーシャルストーリー」も利用してみましょう。
* 学校には、子どもの発達的な特徴を説明し、仲良しの友だちと同じクラスにしてもらうなどの、合理的配慮をお願いしましょう。
b)パニックへの対処法
* パニックを引き起こしやすい環境を調整しましょう。
〈例〉静かで落ち着く子ども部屋を用意する。本人や家族の了解があれば、先生からクラスメイトに子どもの特徴を説明してもらう。できるだけ本人の気に障らないような行動をとるように、周囲の人が配慮する。
* パニックが起こりそうな状況を回避するスキル(予め決めておいたサインを出して、保健室や図書室などに避難するなど)を教え、回避する経験を積ませて感情をコントロールする技術を身につけさせましょう。
四季の花言葉
今を生きるのだー十五歳のころ
し (じ)ゅうご(十五)のぼくには だれにも話せない悩みの種があるのです・・・
アンジェラ・アキさんの「手紙 十五の君へ」の一節です
ゆ ユニセフの最近の調査では「子どもの幸福度」が 日本の子どものそれは 身体は健康だが、心や生活の満足度が低く「精神的幸福度」が37位と最低レベルであったー負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな
ー僕は 誰の 言葉を信じて歩けばいいの
一つしかないこの胸が 何度もばらばらに割 れて 苦しい中で生きている 今を生きてい る・・・
う(憂)れうべきは 子どもの危機が続いているということだ
ー厳しいけれど 明日の岸辺へと 夢の船よ 進め・・・
自分の声を信じ 歩けばいいの 大人の僕も 傷ついて眠れない夜はあるけれど 苦くて甘 い今を生きている 人生のすべての意味があ るから恐れずに あなたの夢を育てて・・・
ああ 負けないで 泣かないで 消えてしま いそうな時は 自分の声を信じて歩けばいい のいつの時代も悲しみを避けて通れないけれ ど笑顔を見せて 今を生きていこう・・・
め 銘すべきこと それは自己肯定できない子どもが多いのは 競争を煽る教育 貧困 自助を強要する政治と無関係ではなかろう
い じめ地獄だ と尾木直樹さんはいう 競争を煽る教育や貧困自助を強要する政治とどう対決していけばいいのか 子どもたちは問い続ける
ー荒れた青春の海はきびしいけれど 人生のすべてに 意味があるから
ぎ(き)キープ オン ビリービング
く るしいなかで 今を生きている 今を生きているー生きているのだ N
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